I swam in the ocean

自分の中の何かしらのアンソロジーみたいなものです

最近仕事について思ったことあれこれ

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吉野弘さんの詩集を読んだ。

その中で「最も鈍い者が」という詩を読んでいて「それぞれの分野の核心に最も鈍い者が それぞれの分野で生涯を賭けるのではあるまいか」とあった。

 

おそらく、心からその仕事を切望し、夢を叶え、仕事に誇りを持つ人はこの言葉には真っ向から意を唱えられると思うのだけど、

少しでも迷いやら妥協などある人であればこの言葉が亀裂から染み入ってしまうのではないかと思った。

 

私の仕事に対する態度は亀裂だらけで、その亀裂を日々絆創膏程度の付け焼き刃で貼り付けるような対応してしまっている。

何日かたってもこの言葉がのしかかるのは、自分の中で仕事の妥協を見つけており、そこが変えなくはいけないところだからだと思う。

 

以前上司と隣で事務作業をしながら雑談していた時に、上司は「自分の苦手なことを避けても、また結局同じことにぶつかる」と言っていた。

私も知識面でも生活面でもその通りで、何度もぶつかってはその時々の対応でごまかしてきたような感じだ。

苦手なことも一度倒してしまわないことにはまた目の前に現れるので、へなちょこの一撃でもいいので真面目に対応していかなければならないと思った。

 

仕事で前向きになるために、今まで出会って好きだった言葉がある。

 

稲垣美晴(1981)フィンランド語は猫の言葉 文化出版局

(勉強に関して楽しんでなんかない、辛いだけという主人公に対して)

「やってる時はそりゃつらいと思うのよ。でもそれができるってことは、やっぱり好きなんだなあ」

→曲がりなりにも四年今の仕事を続けられている。まだ四年とは思うけど、続けられている。きっとこの仕事を好きと思っている部分があるのだと思う。好きを育てるためにも肥料をちゃんとあげていきたい。

 

羽海野チカ(2008)3月のライオン第2巻 白泉社

「逃げたりサボったりした記憶って、自分にしかわからないけど、ピンチの時によく監督に『自分を信じろ』って言われるんすけど、自分の中にちょっとでも逃げたりサボったりした記憶があると『いや、だって、俺あの時サボったし…』と思っちゃってそれが出来ないんです。
だから、上手く言えないけど、そういうの失くしたかったってことですよね」

→中学生にしてこの言葉が出る…(漫画内だけど)すごい…こういう人でありたかった…

 

自分との約束を守れる人ってすごいなと思うわ

私は自分を高く見積りすぎるかつ裏切ってばかりだからね!

 

私の今の弱みメモ

・書類整理が雑 遅い

・カルテ読解の情報収集下手くそ

・仕事の「実質」の部分の時間を増やせていない

・カルテからその人の像が浮かび上がってこない下手くそなカルテ

・圧倒的知識面(人工呼吸器管理モニター、ALS代償手段紹介の知識、急性期あとの生活への想像、カニューレ取り扱い、脳画像肺画像微妙、検査値からの患者像)

・勉強時間の確保 分かるの語源は「分ける」、わからないこととわかることをちゃんと分けて戦っていく

 

◼️今日出てきた本

吉野弘詩集 (岩波文庫)

「最も鈍い者が」p.325

言葉の息遣いに最も鈍い者が
詩歌の道を朗らかに怖さ知らずで歩んできた
と思う日

人を教える難しさに最も鈍い者が
人を教える情熱に取り憑かれるのではあるまいか

人の暗がりに最も鈍い者が
人を救いたいと切望するのではあるまいか

それぞれの分野の核心に最も鈍い者が
それぞれの分野で生涯を掛けるのではあるまいか

言葉の道に行き昏れた者が
己にかかわりのない人々にまで
言いがかりをつける寒い日

他にもたくさんの良い詩が載ってた 着眼点がすごいな 詩ってあまり知らないけどこれから読んでいこうかな

 

フィンランド語は猫の言葉 (角川文庫)

とても面白かった この本はまた別のテーマでも紹介したい

 

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

羽海野チカさんの漫画も全部面白いよね〜名言祭、恋心祭、熱い心祭り

 

ゴミにまみれて (ちくま文庫)

これは今読んでる途中のまじで面白い本

仕事の誇りって何だろうってとても思わされる。これは肉体労働でありゴミを扱うから、まわりからも働く人その自身も誇りをなくして仕事をしてるところから始まるのだけど、

仕事の心持を変えていく、周りの目ではなく自分で心と環境を変えていくのがドラマで面白い。実体験エッセイみたいな感じの本。