I swam in the ocean

自分の中の何かしらのアンソロジーみたいなものです

物が語る話を聞けるようになったらいいな

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面白さに打ちのめされることは人生でそんなに無いと思うのだけど、先日国立民族学博物館に行ってあまりにも面白くて打ちのめされた。

 

国立民族学博物館は、世界各地のものをこれでもかとかき集めてある博物館だ。

オセアニアの地域から始まり、西回りに地球を進み、最後北海道のアイヌ文化から南下し、最後は沖縄の琉球文化の展示で終了、という流れの順番になっている。

 

世界各地の一部だけを紹介しているだろうにも関わらず圧倒的な物量と情報量、

ガラスで区切られていないため触ろうと思えば触れる距離のものを直に見ることができる展示、

こんなものあるんだという知らないものを見れた時の驚き、

アイヌの家やモンゴルのゲルやガーナの屋台などを実際の大きさで再現しているでかい展示…などなど

あっちを見てもこっちを見ても面白くておろおろしてしまった。

 

ビーズで作られたラブレター、文字を書くよりも長い時間をかけて愛を込めて作るんだろうなとか、

ガーナの愉快な棺桶、私も就活ノート作る時に好きなデザインの棺桶描いとこうかなとか、

魚の皮で作られた服、破れないの?どれくらい丈夫なの?と考えたりとか、

アラビア半島のスパイス入りコーヒー、極浅煎りのコーヒーにスパイスがたくさん入ってるのはどんな味だろうとか、

大漁を祝うための服、そんなのが日本にあっのか知らなかったなとか、

大胆で面白いアフリカ布、どう考えるとそんなユニークな配色と柄ができるんだろうとか…

 

どの展示も面白かったのだけど、日本のハレの日の展示室が圧巻で

まず天井まで届くような大きな展示物に目がひかれ、

そのほかにも細々したものが身近な素材で作られているのを見て昔は近隣の自然から取ってきて作ったんだろうなと思い、

日本内であるににも関わらず知らないお祭りのためにつくられた装束に面白いなと心躍り、

ハレの日を心待ちにしてさまざまなものを用意していた昔の人々の顔が思い浮かび…

 

過去から今までが大きな大きな川の流れとしたら、

国立民族学博物館に置いてあるさまざまな地域や文化の展示品は水の粒みたいなもので、

大きな川を覗きに行った時に水飛沫としてキラキラ飛び出したその粒を間近で見せてもらったような感覚で

 

展示品の背景にある連綿と受け継がれてきたさまざまなものがここに保管されていることの喜びというか

 

もうなんせ楽しかったんよ。

 

そしてみんぱくミュージアムショップに並んでいる本がこれまた全部面白そうで、熟考したら何冊も書いそうなので

「うおおお」って勢いで買った本がこれまたたまらんぐらい面白くて…

 

物一つが語るお話がこんなにも膨らむんだと思ったし、

博物館内はその物が一つだけじゃないので詳しい人であれば物が自然に語りかけてきてものすごくガヤガヤと凄いところなんだろうなと思いました。

 

何ヶ月先になるか分からんけど一人時間ができたら絶対また行くんだ!!

 

◼️

新書862目に見えない世界を歩く (平凡社新書)

これまた面白すぎて「oh 神よ…」と打ちのめされながら読んでる本

「見る」だけで分かった気になってるけど全くそんなことないんだよね。面白い箇所がありすぎて絞れないので読んでほしい、博物館や美術館で働いている人、芸術を生業にしている人など面白いと思う

 

Yokainoshima: Island of Monsters: Japanese Folk Rituals

海外の写真家が日本の祭り?の衣装の写真を撮ったもの 欲しいんよ 欲しいんです

 

地球家族―世界30か国のふつうの暮らし

前も紹介したかもしれん

家の中のものを全部出して撮影した本

日本の家の物の多さが特徴的だった