大学生の時に、ベトナム語を第一外国語として習っていた。
そのベトナム語の先生の授業はとても楽しくて、言語はもちろんのこと、フォーの調理実習とか、ベトナムの楽器の紹介とか、ベトナムの歴史とか色々教えてくださった。
今思うと本当に恥ずかしいけど、一年生の時には大学になかなか行かなかった私にも優しかった。
生徒の質問にも、ほめまくって、申し訳なくなるくらい丁寧に答えて下さる先生だった。
ベトナムには2回行った。
1回目は、その先生が企画したベトナムツアーで、2回目はベトナム語を上手く話せなくて悔しくてリベンジのひとり旅である。
そのひとり旅の時、ベトナムの子供達で印象に残ったことが2つある。
1つ目はネズミの居場所を教えてくれた少年だ。
同じ宿になった、どこの国か忘れたけどバックパッカーの女性と一緒に、夜の屋台でご飯を食べていたときのことだった。
彼女はベジタリアンだった。アボカドスムージーの美味しさを教えてくれた人だった。
ご飯を食べていると、少年がこちらに向かって、一生懸命テーブルクロスをめくって、机の下を指差して何か言っていた。
もちろん「ねずみ」というベトナム語を知らないもんだから、なんだろ?なんだろ?と思っていたけど、逃げてしまった後、周りの大人が「ねずみがいたんだよ」と答え合わせをしてくれたのだった。
少年は私達に向かって「せっかく良いこと教えてあげたのに、もったいない」みたいな顔をして去っていった。
私も、今でも、ねずみ見たかったな、もったいない、と思う。
ベトナム語の動物の名前は、鳴き声がもとになっていると、確か、聞いた、覚えがある。(自信無い)
牛は「bò」、猫は「mèo」、鶏は「gà」
牛と鶏は、フォーの具を頼む時に覚えた。
ちなみに、ねずみは今調べたら「 chuột 」、猿は「khỉ」、フクロウは「cú」だった。今更になって面白い。
ベトナム語の根本は、中国にもあるので、漢字の音読みに似ている単語がたくさんあるとも習った。
話が脱線してしまった。
2つ目に印象に残ったのは、おままごとをしている女の子2人だ。
宿を探しながら歩いていると、道のはじで女の子2人がおままごとをしていた。
よく見ると、お椀には白い靴紐のようなものが入っており、彼女らはその料理を作って遊んでいた。
「もしかして、フォーを作ってるのかな」と思った。おままごとでその土地のご飯を作っているところに感動した覚えがある。
もしかしたら、私の思い違いかもしれないし、フォーじゃないかもしれない。
写真で残したかったけど、彼女らの邪魔をしちゃいけないなーと後ろを通り過ぎたのだった。
この日記を読んだ人には「なんだ、そんなことか」というくらいの思い出かもしれないけど、
今ふと思い出すと、陽が落ちたあと地元の人や観光客で賑わう屋台の喧騒や、あの暑くて太陽の力強いベトナムをのろのろ歩いた空気を思い出す。
あの子供達は今何歳なんだろう。
旅はいいよね、人の旅エッセイ
どれも好きでしぼれず