I swam in the ocean

自分の中の何かしらのアンソロジーみたいなものです

最近仕事について思ったことあれこれ

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吉野弘さんの詩集を読んだ。

その中で「最も鈍い者が」という詩を読んでいて「それぞれの分野の核心に最も鈍い者が それぞれの分野で生涯を賭けるのではあるまいか」とあった。

 

おそらく、心からその仕事を切望し、夢を叶え、仕事に誇りを持つ人はこの言葉には真っ向から意を唱えられると思うのだけど、

少しでも迷いやら妥協などある人であればこの言葉が亀裂から染み入ってしまうのではないかと思った。

 

私の仕事に対する態度は亀裂だらけで、その亀裂を日々絆創膏程度の付け焼き刃で貼り付けるような対応してしまっている。

何日かたってもこの言葉がのしかかるのは、自分の中で仕事の妥協を見つけており、そこが変えなくはいけないところだからだと思う。

 

以前上司と隣で事務作業をしながら雑談していた時に、上司は「自分の苦手なことを避けても、また結局同じことにぶつかる」と言っていた。

私も知識面でも生活面でもその通りで、何度もぶつかってはその時々の対応でごまかしてきたような感じだ。

苦手なことも一度倒してしまわないことにはまた目の前に現れるので、へなちょこの一撃でもいいので真面目に対応していかなければならないと思った。

 

仕事で前向きになるために、今まで出会って好きだった言葉がある。

 

稲垣美晴(1981)フィンランド語は猫の言葉 文化出版局

(勉強に関して楽しんでなんかない、辛いだけという主人公に対して)

「やってる時はそりゃつらいと思うのよ。でもそれができるってことは、やっぱり好きなんだなあ」

→曲がりなりにも四年今の仕事を続けられている。まだ四年とは思うけど、続けられている。きっとこの仕事を好きと思っている部分があるのだと思う。好きを育てるためにも肥料をちゃんとあげていきたい。

 

羽海野チカ(2008)3月のライオン第2巻 白泉社

「逃げたりサボったりした記憶って、自分にしかわからないけど、ピンチの時によく監督に『自分を信じろ』って言われるんすけど、自分の中にちょっとでも逃げたりサボったりした記憶があると『いや、だって、俺あの時サボったし…』と思っちゃってそれが出来ないんです。
だから、上手く言えないけど、そういうの失くしたかったってことですよね」

→中学生にしてこの言葉が出る…(漫画内だけど)すごい…こういう人でありたかった…

 

自分との約束を守れる人ってすごいなと思うわ

私は自分を高く見積りすぎるかつ裏切ってばかりだからね!

 

私の今の弱みメモ

・書類整理が雑 遅い

・カルテ読解の情報収集下手くそ

・仕事の「実質」の部分の時間を増やせていない

・カルテからその人の像が浮かび上がってこない下手くそなカルテ

・圧倒的知識面(人工呼吸器管理モニター、ALS代償手段紹介の知識、急性期あとの生活への想像、カニューレ取り扱い、脳画像肺画像微妙、検査値からの患者像)

・勉強時間の確保 分かるの語源は「分ける」、わからないこととわかることをちゃんと分けて戦っていく

 

◼️今日出てきた本

吉野弘詩集 (岩波文庫)

「最も鈍い者が」p.325

言葉の息遣いに最も鈍い者が
詩歌の道を朗らかに怖さ知らずで歩んできた
と思う日

人を教える難しさに最も鈍い者が
人を教える情熱に取り憑かれるのではあるまいか

人の暗がりに最も鈍い者が
人を救いたいと切望するのではあるまいか

それぞれの分野の核心に最も鈍い者が
それぞれの分野で生涯を掛けるのではあるまいか

言葉の道に行き昏れた者が
己にかかわりのない人々にまで
言いがかりをつける寒い日

他にもたくさんの良い詩が載ってた 着眼点がすごいな 詩ってあまり知らないけどこれから読んでいこうかな

 

フィンランド語は猫の言葉 (角川文庫)

とても面白かった この本はまた別のテーマでも紹介したい

 

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

羽海野チカさんの漫画も全部面白いよね〜名言祭、恋心祭、熱い心祭り

 

ゴミにまみれて (ちくま文庫)

これは今読んでる途中のまじで面白い本

仕事の誇りって何だろうってとても思わされる。これは肉体労働でありゴミを扱うから、まわりからも働く人その自身も誇りをなくして仕事をしてるところから始まるのだけど、

仕事の心持を変えていく、周りの目ではなく自分で心と環境を変えていくのがドラマで面白い。実体験エッセイみたいな感じの本。

 

思い出のつぶ集め

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よく晴れた昼下り

たくさんの赤い実がなったトマト畑の中で

数年前母を亡くした若い女性が

母を思い出して泣いていた

 


フィジーの小さな島から

さらに小さな島に行くための木だけでできた船着場で

海は日暮れで銀色になって凪いでいて

ボートを待っている時に

トーブを着た男性が私を見て

まさかの「お疲れ様です!」と流暢に挨拶をしてくれた

 


小さい頃、祖母に手を引かれ

駐車しているクレーン車の横を通る時

こんな大きなタイヤがあるのかと驚いた

 


寒い朝

病院の裏の入口の日陰で

ただの風邪だけどコロナを陰性と証明しないといけなくて検査を待つ間

寒すぎてスクワットをする

 


高速道路を走るバスの車窓から

車酔いを少しでも緩和させるため外を見た時

遠くの水田に大きな虹の足が降りていた

 


明るい日差しのふりそそぐ

天井の高いガラスでできた温室の中、

綺麗な池と鮮やかな植物の背景に

見上げるほど大きな石でできた

ひび割れ、蔦の覆う仏像をみた夢

 


幼稚園の頃

とある窓から見える照明に

薄く氷がはっているのを見た

 


ベトナムの寺院で

言葉を介さず歯のないお坊さんが笑いながら

美しい螺鈿の家具を見せてくれた

 


つるつる滑るぬかるんだ土地で立ち往生してたら

観光客の中国人のおばさまが

見かねて無愛想に手を貸してくれた

そんな荒削りな優しさがあるのかと思った

 


雨の日の 福木並木の下を傘を忘れて歩く

 


夜遅く みんな下を向いたひまわり畑を見に行く

 


初めて子供に乳を吸われた時の強さに驚き

母性よりも面白さを感じる

たくさんの沼があるので温泉のようにつかりにいく

 

とある本を読んでいて

「言葉を口にすれば、必ず誰かを傷つける。絶対に傷つけないように細心の注意を払って遠回しな言い方をすれば、誰を傷つけないために何を口にしないようにしているのかが逆にはっきり輪郭をあらわす。ちょうど切り紙をつくった時に出た屑を見れば、どんな形が切り抜かれたのかがはっきり分かってしまうのと同じだ。」

という文に出会った。

 

仕事では、なるべく相手を傷つけないようにと言葉を選んでいて心当たりがあるので、もしかすると相手にはこういった輪郭を分からせてしまっているかもしれないなと実感できた文であった。

 

最近Twitterでのイメコン界隈で、スペックの負け組の話が物議をかもしている。

その負け組と言われて出されていたのは、骨格ストレート・顔タイプソフトエレガント・PDグレースで、体型も、顔も、醸し出す雰囲気も全て盛り耐性がなく、口悪く言ってしまえば「地味にしなさい」みたいなグループのことであった。

そのスペックは100%私と一緒であり、せっかくおしゃれしたいのに、地味で、動きにくくて、値段ばかり高いものばかりを勧められるので、私もかなり落胆したのを覚えている。

 

食べ放題のバイキングに行ったのに、「あなたが食べられるのは白米と素麺です!ふりかけや薬味は飾りになるので、シンプルが似合うあなたには必要ありません!」と言われている気分に近いと思う。

 

他の人たちが「いやいやイメコンは皆輝くためのものだから」とか「そのスペック素敵じゃん」となったとしても、それは紙を切り取った周りのくずのようなもので、

「負け組」と言い表された強い輪郭をおびたその言葉に一番しっくりきたのは言うまでもない。まじで核心だな、と思ったのだ。

 

もちろん自分を切り離した時に、そのスペックを見れば、PDグレースの凛とした圧のある空気感は顔タイプソフトエレガントの柔らかさで相殺され、

頼り甲斐があるのに優しい人、

高貴な人と思ったら柔らかい人、みたいな

超かっこいいスペックじゃんとは思う。

 

自分の内面とのちぐはぐさを感じ、また好みのスペックではないから受け入れが難しくなるんだろうなと思う。

 

メコンの沼は深いのだけど、時々温泉のようにつかりにいっていて、ここ数日はその「負け組」と感じる心の中を解明すべく沼にしばらく滞在してるのだけど、

やはり「地味が似合うよ」は遊び心なくて楽しくないんだよね。

 

外見を楽しみたい、遊びたいんだよ。

まぁでも、例え「地味に人目に付かず生きていきたいからこのスペックで良かった!」って人が上品でシンプルな服を着たら、それはそれで輝いてしまう、というのは面白いところかもしれない。

 

最近、他の人の意見を読んでいてなるほどなと思ったのは「馴染む」と「おしゃれ」の違い、みたいなものであった。

メコンで提案されるのは、違和感なく「馴染む」ものであり、主役がその人の顔、その人そのものになる、もので

おしゃれや流行とは、その人のイメージとは相反し、服のほうが際立つもの、みたいな感じのことかなとそれを見て思った。

 

つまり、スペックに合うものを選べば地味と感じるものだけど、それを纏ったあなたはまとまりがあってあなたそのものを輝かせるもの、

 

地味がいやで好きな服着たら、それはそれでおしゃれなんやで、みたいなものなのかな、と思いました。

 

色に関しては個人的に負け組はないだろと思ってて、イエベブルベ関係なくどこの色相も綺麗で、

イエベ春・ブルベ冬は「派手すぎる」、イエベ秋は「地味な感じがする」と言う人もいるけど、

ちゃんと春冬も落ち着いたベーシックカラーはあるし、秋の綺麗色はかなり綺麗だし、そっちにも目をむけーやみたいなのはそうだな、と思う。

 

色に関しても、「パーソナルカラー外して顔色悪くなっても、顔色悪いのかっこいいから別にいい」みたいに言ってる人いて、

顔色悪いのかっこいいって面白い意見だなとも思ったのでした。

 

メコンは輝き方を知るのでもあるけど、

「なんか知らんけど似合わん」を言語化され、それを理解し、

「なるほど、これは理論的には似合わん!けど好きだからええか!」に変化させるものかなと思います。

 

あとは、また別の本で見たんだけど

いいな、と思ったものを表す時「かわいい」と反射的に言ってしまうことが多く、しかも「かわいい」が範囲するカバーはかなり広い、そして簡単だから、非常に多彩な魅力のあり方が「かわいい」に集約されてしまう、

そんな「かわいい」が幅を利かせている社会では、それ以外の褒め言葉を使われても「かわいくないから、そこしか褒めるとこないんだ…」と落ち込んでしまう、みたいなのが書いてあって

うわ〜!!なるほど〜!!「上品」もそうかも〜!!と思いました。

 

 

追記:今年の目標はユニクロを卒業してみる!

メコン沼の奥底には「パーソナルアクション」とか「テイストスケール」とか「パリ流」とかもあって、ちょっと気になってはおります。

 

ソフエレ 骨格ストレート イエベ春 PDグレースをイメージしてコラージュしてみたよ

こんな感じかな??

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◼️

星に仄めかされて

タイトルと表紙に惹かれて購入したけど、読み終わった後シリーズものの2巻目ということを知る。笑

「言葉」に関する面白い考え方をもつ人が多く、仕事柄なかなか面白かったなと思った。

 

女の子よ銃を取れ

鎖の外し方のアイデア宝庫かもね

プードルの獅子舞

初めて沖縄の獅子舞に遭遇した時、本当に生き物みたいに見えたので驚いたことがある。

 

内地の獅子舞は、胴体が緑の風呂敷みたいなので覆われているけど、沖縄の獅子舞はプードルの毛が伸びたみたいな、ベージュっぽいふわふわの長い毛で覆われている。

激しく動くたびにそれに合わせてゆっさゆっさ、ふわんふわんと毛が動くので、かなり迫力がある。

本当に中国の山奥とかに伝説の生き物みたいにして生きてるんじゃないかと思う。

 

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バリ島に行ったときのことだ。私は海外に行くとかなり慎重派であまり冒険はしないのだけど、

一緒に行った夫は「地元の人が行くような店に行きたい!!」といって路地裏なども歩いて、一つのレストランを選んだ。

 

バリ島は外はかなり暑く日差しも強い。

店内は細く長く奥へ続いて、外の日差しが強い分中は相対的に薄暗くなっていた。

手前には誰も客がおらず、奥の方へ歩いていくと、レジがあって、そして中庭があって、中庭に近い席はまた外の光が存分に注いでいて明るい場所であった。そこには客がぽつりといて、ごはんを食べていた。

 

ここにしようと言うことで、私はスイカのジュースとナシゴレンを頼んで、その明るい席でテレビを見ていた。

地元の番組が流れていて、インドネシアの影絵のコントみたいなテレビで、なんかギャグ要素の強い劇だったらしいのだけど、インドネシア語は分からないので、ニュアンスで見ていた。ポツンといたお客さんも見ていて、同じタイミングで笑ったので、ノンバーバルは伝わるものだな、と思ったのであった。

 

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今日は 伝統芸能繋がりの 思い出された話でした。本当は疲れて休憩している獅子舞の写真があったはずなのだけど、見つからないのでインドネシアの強そうな人の写真。

 

◼️

伝統芸能に関する本はぜーんぜん思い浮かばないけれど、脈々と受け継がれていく何かつながりだとこれだろか↓

お薦めしてもらった本で、読み始めたら一瞬で読み終わった 三浦しをんさんの文は 水、すいすい読めるね

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

 

◼️沖縄の獅子舞は本当に生きていそうな空想上の生き物っぽいけど、この漫画の中では空想上の生き物の龍を食べる話もある

漫画のショートショート 面白い

ひきだしにテラリウム

 

情報を食べてるのか?

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昨今遠くにはいけないので近場をくまなく散歩することが増えた。

 

そしたら結構面白くて、

見慣れない植物があったり、

珍しい苗字の表札を見つけたり、

抜け道を発見し違う道に繋がるのが知れたり、

こんなとこにこんな店あるのか!?というのを見つけたり、

街の歴史の一部や生物などの解説がかかれた看板を読み耽ったり…

みたいな発見がたくさんあった。

 

そんな中、歩いていてふと輸入食材屋を見つけた。南欧あたりの食品を主に扱っているらしい。

主に店内はオリーブオイルとかパスタ類とか瓶詰めの食品が多いようだったが、お菓子を売っているコーナーもあり、そこに2つ気になるものがあった。

 

一つ目はロバのミルクを使用しているというチョコレートだ。

グルジアでは体調不良の時にロバのミルクと蜂蜜を飲むらしいということは知っていたけど、どんな味かな、と思って買ってみたのである。このチョコレートは古代のチョコと呼ばれているらしく、カカオと砂糖のザリザリ感があり、他の口どけや滑らかさを追求したチョコレートとは違うらしい。

食べてみたところ、ロバのミルクみを私は感じられず残念だったけど、これはおそらく他のフレーバーや基本的な味ものと食べ比べると分かるのだろうなと思った。

 

二つ目はジェノバ修道院で育てられるバラを煮詰めて作ったという砂糖菓子である。とても小さいピンクの天然石のような見た目をしていて、小さいのですぐに食べ終わってしまう、と思っていたのだけど、二粒食べるとなぜか満足してしまう不思議なお菓子であった。

調べてみるとアニス、オレンジキュラソー、桃のリキュールなども入っているらしく情報の字面さえもなんとも可愛い。

 

この二つだけで 3,000円もしたので 実はすぐに即決ができず、10日くらい悩んで「よし買うか」と再度店を訪れたのだけど、

「こういうのは経験にお金を払ってるので…」と自分に言い訳をして散財したのであった。

 

でも、私はその商品そのものが食べたかったのだろうか?と考える。私はもしかして情報を食べているのかな?と思ったわけである。

 

例えば普通のチョコや砂糖菓子であれば3000円も出してまでそれらを購入しなかったと思うのだけど、

「食べたことがなく」「グルジアではロバのミルクを飲む」「ジェノバ修道院のバラ」「古代のチョコ」など、その食べ物そのものよりも情報を買っているのではないか?と。

 

最近はファッションや小物関係も

そのものが好きというだけでなくて、その物品の背景などに触発されて買い物をしている気がする。

これは良いことなのか悪いことなのか分からないけど、今後も情報に踊らされるのかな、と思った。

 

ちなみに夫にこれらを少しだけ分けて(私はケチ)味見してもらったんだけど、

ロバのチョコは「うわ、なんこれ、ざらざら、やっぱりチョコは明治の板チョコやで、いくらするん、え!?やば〜」、バラの砂糖菓子は「うわ、なんこれ」という感想だったので、情報が無ければこんな感想なのかもしれないな、と思ったのでした。

 

◼️こちらが古代チョコレートの「ボナイユート」

買わなかったけど、こちらの味の「白胡椒」もどんなのかとても気になった。店内には「海苔」のチョコレートもあって興味がくすぐられる。

でもな〜こういうのは一人で食べても楽しさはちょっとだし、夫みたいな人(失礼)に食べてもらっても違うんよ〜笑

一緒にふむふむしながら食べたいのよ〜

アンティカ・ドルチェリア・ボナイユート 古代チョコレート"白胡椒" 50g

 

これはまだ積読だけど、この世には素敵なお菓子があり、それぞれに歴史や物語という膨大な情報が乗ってるんだよな、たのし〜!

世界の祝祭日とお菓子



漁師は熱心に星空を見ていたらしい、今もかも

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iPhone で綺麗な夜空を撮影したら、かろうじて星が見えた、すごいな

 

今読んでいる「天文台日記」という本がとても良くて星にまつわるあれこれが思い出されたので書き留めておく。

 

①昔、フィジーの中のさらに離島に行った時のことだ。暗い中、外の広場に出て、自立式のハンモックに横になって夜空を見ていた。

南半球でしか見れないというサザンクロスという星座を教えてもらったのだが、その時見たのかは覚えていない。

ハンモックにぶら下がって、満点の星空を見ながら私は「きっとこんなふうに星空を見ることはもう無いだろう」と思っていた。

だから、「うわ〜綺麗〜!」みたいに見るのではなく、テスト前に参考書を血眼で凝視するように、「絶対忘れないぞ」みたいな心算で星空を見ていたのだ。ロマンチックもへったくれもない。

今はその星空が映像として思い出せないので、その時忘れてもいいからそのまま素直な気持ちで星を見ておけば良かったなと思う。

ただ当時の私は、木々の影にさえも邪魔されず、地球にぺったり貼り付いて、星空というか宇宙というかただ暗いでかいものに対峙していて、

空に落ちてしまう、地球にしっかりくっついとかないと、と思ったのを覚えている。

またいつかこんな風に星空を見る機会はあるのだろうか。

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奄美大島で真っ暗な田舎道を運転していた時、ふいに「すごく真っ暗だから、今なら星がめちゃめちゃに見えるのでは?」と夫と話して、

路肩に車を止めて、ライトも全て消して空を見上げた。

(もし後ろから車来たら危ない状態だからしないほうがいい)

この時も星が綺麗だったのかは覚えていない

 

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③熊本に森のアトリエという宿泊施設がある。

そこは大きな天文台があり、予約をすれば夜に“星のコンシェルジュ”という仕事の人が、実際の星空や望遠鏡を見ながら星座を解説してくれるのである。

私が泊まりに行った時は、ものすごく寒い大晦日からお正月の時であった。

その夜は星のコンシェルジュの人曰く「本当に最高のコンディションの夜です、ここ10年で一番」と話されていた。

全く雲がなく透き通って、キンキンに冷えた空気の中、星を指すためのレーザーポインターで夜空を示しながら色々と説明してくれた。

(2000円くらいでこの夜空を指すポインターは買えるらしい)

またこの時、屋内に移動して望遠鏡を覗きながらの解説で、

何かの星が「今見ている星から届いている光は26年前の光」ということで、お客さんの中で26歳の人はいませんか、と問われ私が26歳だったのであった。

「26歳ならば、あなたが生まれた時の光です」と言われて一番最初にその星を見せてもらったのであった。

あまり星に詳しくないし、物覚えもよくないのでこれもどんな星を見たのか、どれくらい綺麗だったのかを覚えてないのだけど

10年の中で一番綺麗な貴重な夜であったこと、自分の生まれた年の光を見たこと、そして星のコンシェルジュという仕事があること、夜空を指すポインターがあることを忘れないでいたいなと思った。

 

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④昔テレビでチェコか何かで天文台で働いている日本人の紹介があった。インタビューで「こんなに気長に仕事をするのがすごいですね」といった旨のといかけに対して「一生に一度あるかないかを発見・目撃できるこんなに素晴らしい仕事はない」と答えていた。

例えば救急救命医や激務のコンビニレジや1分に1本電車が来るようなダイヤの鉄道運転手や短距離走のオリンピック選手などは一秒を争っているけど

一生という長い時間をかけて生きている仕事もあるんだなと思った。

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◼️今読んでいる本がこれ

星を観察する仕事の人の時間の数え方は、居酒屋と同じで、仕事の終わりが「30時半」とかになるらしい 面白い

天文台日記 (中公文庫BIBLIO)

星と言えばこの本になるな

星空の見え方が変わるところのシーンが好き

星の王子さま (岩波少年文庫)

きっと星にまつわる本はたくさんあるのに、あまり読んでないし覚えてないな

おまけ

最近見たおしゃれで好きだなと思った人たちメモ

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左から

・緑の線が効いてるモノトーン。黒ふちの丸いメガネや濃い赤いリップも可愛かったマダム

・赤に手書きでぐるぐると書いたような大きな黒いドットのコートでてんとう虫みたいなマダム

・黒のワンショルダーベストとショッキングピンクのテカテカプリーツパンツ…カッコ良すぎる、わたしには似合わないけど来世これが似合うようになりたい

・ベージュにアイボリーのざっくりニット、首輪もイタリアンカラーで可愛かった犬

・インスタで見たデザイナーさん

ギンガムチェックのスカーフを巻いてて可愛い〜こういうのやりたい〜(下半身は見れず適当にコーディネートを描いた)

吾唯知足と唱えながら物を買う矛盾

物欲が止まらなくて困っている。

 

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数ヶ月前はポーチが欲しくてたまらくなり二つも買った。

そんな色々と持ち歩くものはないのにポーチばかりを買ったものだから、無理やり役割を割り振って

一つはマイバッグ入れ、一つは飴ちゃん入れ

に就任してもらった。

 

私が物を買った、と言うときにはだいたいメルカリやリサイクルショップとかで、

新品を買えず経済を回せていないふがいなさと、でもエコの観点からみればまぁいいじゃないかとなぐさめる気持ちが混同している。

 

最近は腕時計が欲しくてたまらない。

 

仕事柄、腕時計は手指消毒の妨げになり不衛生だし、介助が必要な方の皮膚を傷つける可能性があるため、仕事中は腕時計ができない。

また、私生活でも時計はスマホで事足りる。

つまり腕時計は不必要なのである。

 

なのに欲しいのである。

いつ付けるんや、もっと課金する部分があるじゃないか、顔とか脱毛とか髪とか、と天使は説得してくれるわけだけど、

悪魔は 仕事頑張ってるじゃん 家事もやってるじゃん 好きなもの買いなよ〜と誘惑してくるのである。

腕時計を買うならRosemontというブランドの、ゴールドで繊細なチェーンの編まれた小さい時計が可愛いな〜と夜な夜な眺めている。

40000円以上するので、ピョイとは買えないけどたぶん悪魔が勝利して買う日も近いかもしれない。

たすけてください。

 

そして物欲は止まるところを知らず、またブローチなんかが欲しいのである。

何かを読んでいて「ブローチは、付けない人は一生付けないアイテム」という文言が出てきた。

おそらく私はそのブローチをつけない人側でもあるにも関わらず、ブローチが欲しいのである。

これもまた夜な夜な可愛いブローチを求めてうろうろとネットサーフィンをしている。

 

特にメルカリなんかは気軽に立ち寄れる蚤の市みたいなものだから、「なんだそのブローチ!?」みたいな面白いデザインのものが掘り出し物でよくあるし、普段お目にかかれないような超高級なブローチも簡単に見れて、とても楽しい。

 

ブローチもいつか悪魔に負けて買っちゃうかなあ…

最近気になってるのは不思議なデザインのベネチアングラスの猫のブローチと、星にまみれた蝙蝠のブローチだ。

 

お金持ちじゃなくて良かった、私たぶんお金持ちだったら欲しいものすぐに買って山ほどものが増えると思うもん

 

あとは、私の好きな輸入雑貨屋さん経由で初めて知ったアクセサリーの一つで、スカーフクリップというものがある。

私はスカーフを付けないので、スカーフクリップ欲しい!とはなってないものの、

インスタで探したところスカーフとスカーフクリップでさまざまな形で首元を彩る技を紹介するアカウントを見つけて、奥が深いなぁーと思っています。

 

何か欲しいものがあるときは、それを全部足して合計を出して、「意外と安いじゃん」と思っ

て全部買うという清水の舞台からの飛び降り方もあるんじゃないかなと思います

知らんけど

 

◼️本が思いつかない

必要でないのに買ってしまい、それに無理やり役割を当てはめる。

今読んでる本が「ブルシットジョブ」というやつなんだけど、無理やり役割を与えられたポーチ2つは「ほんまブルシットジョブやな」と思ってるかもしれない…

ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論